bye bye Land という名の
2022.10.02
空き家だった家に、先日制作道具や作品の在庫を運び入れ、制作を再開しました。
ここは3年前まで、NOMAというギャラリー兼事務所だったところ。
わたしがここ川西に引っ越してきた2年前、この辺りにギャラリーはないのかと検索して、やっとその情報に辿り着いた頃には、残念ながらすでに閉店されていました。
いろんなイベントもされていてすごく素敵だったのにな…と諦めて1年ほど過ぎたころ、自宅の制作部屋を手狭に感じ出したので、近くで格安の空き家や倉庫はないかと探しはじめ、そういえばあのギャラリーだった建物は今どうしているのだろうと思い出したのです。
それから数カ月経った先日、なんとNOMAのオーナーであったニット作家である能勢麻由美さんにお会いしてきました。
@nose_mayumi
それまでに何度もDMで連絡を取らせていただき、あの頃の物件の状態や、どんな風に使われていたのか、能勢さんご夫婦や仲間たちとどのようにギャラリーにしていったのか、お会いするまでにもそういった話をたくさんお聞きすることが出来ました。
ただ、「あの建物はかなりユニークでワイルドなので、無理はなさらず」と書いて下さったのに、わたしは逆に後押しされ、最終的にここを借りることにしたのです。
NOMAさんが出来るまでと出来てからのことを、とてもあたたかく丁寧に綴られているので、ブログもぜひ読んでみてください。
【 NOMA blog 】
お会いしたときにはすでに物件を契約していたけれど、加えてそれまでのこの建物や、住んでいる川西の土地柄の話もさせていただきました。
この日、初めましてだったけれど、わたしが話すことを先読みしているかのようにすぐに理解してくださることの安心感・・・不思議でした。
能勢ご夫婦は今、徳島と川西の二拠点生活をしておられて、今徳島に次のNOMA(宿泊可)を作ろうとされています。
それまで何の縁もなく、兵庫県の川西ってどこ?というくらいだった土地で、こんなご縁をいただけたこと、ほんとうに嬉しく思います。
家族や知人に話してもただ廃墟としか言われないけれど、愛情いっぱいにDIYされ、10年近く使ってもらって、ギリギリ耐えた建物(築73年ほどで、震災時には被災者が住んでいたらしいです)、ある工務店さんからは「直す価値はないと思いますよ」とまで言われたけれど、わたしには愛おしく感じる建物。
そして先住の蟻や蜘蛛も同じく、愛おしい存在だなと感じます。
トイレは汲み取り式(ようやく慣れましてん…)、下水が引いていないので裏の川に流れる、雨漏りや天井のコンクリの剥がれも酷い。
なので来週(インスタ投稿時は9月10日)は段階的に、鉄板屋根の部分の応急処置的補修をします。
余裕が出来たら、作品を直に見ていただけるように予約制でオープンしたりもしたいなと思っています。
この作業場の名前は『bye bye Land』。
生きとし生けるものの魂は最終的にこの星を離れる、そして培養物になるという意味で付けました。
今後、廃棄するものを使っての制作も進めていきたいと思っています。
ということで長くなってしまいましたが、今後はこの建物と戯れながら制作のご報告をしたいなと思います🌈
近所の景色。
ここも空き家なのかもしれない。
寮の裏手の公園。
アトリエの前の道は草花がたっくさん!
【追記:10/02】
明後日は天井のもう片方、陸屋根の応急修繕をします。
天井からはモルタルの欠片や粉がたくさん落ちてきていて、今この部屋は実質使えていないけれど、雨漏りをどうにかしたら次はモルタルが落ちて来る天井を直して第二の展示室にしたいな。
セラフィーヌ・ルイという画家
2022.05.17
セラフィーヌ・ルイという画家をご存知ですか。
わたしは10年ほど前にこの画家を映画で知りました。
それ以来、植物を描くときに勝手にその人、その人の絵が頭に浮かぶようになりました。
まず、あんな絵はわたしには描けないという憧れ。
そして、わたしが絵の具さえ買うのを躊躇っていたほどの貧困時代と照らし合わせたとき、わたしは時代的にお金のかからないデジタルを選べたことで多少救われたということ。
そんな時代を思い出します。
大自然の荒々しくも無垢な美しさに屈服するのと同じく、彼女が植物に対して感じ取るエネルギーというのか、その表現が、わたしが植物を描くときに常につきまとい、表現とは何かと、まだまだ答えに行きつかない問いに翻弄されます。
彼女の絵はマタギのようでもあり、そこに共生を感じられるんだなと、ふと思い出した夜でした。
個展のお知らせ
2022.05.15
URAMADONNA展 / Solo Exhibition
2022.6.12(sun)~6.29(sun)
この6月、去年企画展でお世話になった福岡にあるクレマチスの香さんにて『ウラマドンナ展』をさせていただくことになりました。
このブログを読んでくださっている方は過去の活動を知ってくださっている方がほとんどかと思うのですが、わたしは今まで自分の体の不調やライフスタイルの変化により、安定して制作を続けられぬまま10年以上過経過してしまいました。
ただ、そんな合間にも大阪の雑貨店さんで委託販売をしたり企画展に呼んでいただいたりして、細々と作家活動は続けていて、昨年はその”継続は力なり”を実感した年となったことは言うまでもありません。
コロナ禍で、オーナーさんたちが「アートとはなんぞや」と振り返ったときにふとわたしという作家を思い出してもらえたことが、わたしの細々とした作家活動に新たな光を与えてくれました。
今回は前回とはまた違った表現の研究を重ね、風景に溶け込むように、より絵画的な表現を用いるようになりました。
ウラマドンナは、とてもアシンメトリーです。
そのため、能面のように角度によって表情が変わります。
立体であることの面白さや、その色が放つ存在感など、見て触って、感じて頂けたらうれしいなぁ。
あと1カ月弱、まだまだ作ります。
クレマチスの香 ⌂web
福岡市中央区薬院1-8-20 kyoya薬院ビル501 (map)
open / 12:00-19:00 (土日祝18:00)
In the land of LAND / Solo Exhibition
2021.09.27
in the land of LAND / Solo Exhibition
2021.11.9(tue)~11.28(sun)
この秋、toiroさんにてワタナベランドとして地元神戸での初の個展をさせていただくことになりました。
わたしは今まで企画展などに参加させていただきながらもほぼ無名に等しいので、どんなものを作っているのか知っていただきやすいように、今回の個展のために制作したものを並べて、DM用の写真を撮影しました。
まだまだ表現の模索途中。
一生終わらない作業なのだと思います。
そして、toiroさんではお菓子の人ともコラボさせてくださっていて、会期中はcafe Selenさんのお菓子をご堪能いただけます。
お菓子の味や香り、静かな空間の陰影、そしてわたしの作品も楽しんで頂けたら幸いです。
cafe+space+gallery
toiro ⌂web650-0011 神戸市中央区下山手通3丁目2ー14林ビル3F 東 (map)
Open / 12:00-19:00 (closed/ monday)
Online Shop オープンしました
2021.06.23
くるっクルッくるっクルッ。
1体のウラマドンナを前後左右と回転させて、画像をつなぎました。
こういう作業って少しマニアックというのか、ほとんど趣味で楽しいです。
ということで、Online Shop オープンのお知らせです。
🎪https://landetvous.theshop.jp/
納品先で長い間たくさんの方に見ていただいただろうウラマドンナたち。
絵画や粘土作品は実際に手に取ってご覧いただくことが一番ですが、
新しく作品を作るためには、過去に作ったものたちも循環させて、進化していきたい。
そう思い、どなたかに見つけて頂きたくてこの度オンライン販売をすることにいたしました。
納品前だったものも数点あります。
めぐり逢いはどこにあるかわからない。
ここから発信することで、ご縁を見つけてもらえたらうれしいです。
ブックカバーは、わたしが2000年初期にオンラインショップを立ち上げたころ、始めて作ったのがブックカバーだったので、初心に戻るために制作したものです。
これらも一度納品して引き上げさせていただいたものですが、誰かの大切な本を包ませていただけますように。
11月には神戸のカフェギャラリーさんで個展をさせていただく予定です。
またそのお知らせもいたしますので、どうぞどうぞよろしくお願いいたします。