セラフィーヌ・ルイという画家
2022.05.17
セラフィーヌ・ルイという画家をご存知ですか。
わたしは10年ほど前にこの画家を映画で知りました。
それ以来、植物を描くときに勝手にその人、その人の絵が頭に浮かぶようになりました。
まず、あんな絵はわたしには描けないという憧れ。
そして、わたしが絵の具さえ買うのを躊躇っていたほどの貧困時代と照らし合わせたとき、わたしは時代的にお金のかからないデジタルを選べたことで多少救われたということ。
そんな時代を思い出します。
大自然の荒々しくも無垢な美しさに屈服するのと同じく、彼女が植物に対して感じ取るエネルギーというのか、その表現が、わたしが植物を描くときに常につきまとい、表現とは何かと、まだまだ答えに行きつかない問いに翻弄されます。
彼女の絵はマタギのようでもあり、そこに共生を感じられるんだなと、ふと思い出した夜でした。