永遠にミステリー
2021.09.18
あまりにも乱暴な季節の移り変わりに、ノスタルジックを感じるどころか、苦手な冬さえ待ち遠しくなってしまう、そんな9月。
そっか、もう9月になってしまったんですね。
今年の夏は、11月に控えている個展の制作のため、出勤日以外のほとんどを制作にあてています。
去年は喜びと悲しみが高波のように押し寄せて、泣く日々を晴らすかのように、休日には空気のいいところを選んであちこちへ行ったけれど、今年は控え、アウトプットの日々に突入です。
上の写真は、Instagram@land.watanabe.worksのアイコンにしたウラマドンナの写真。
久しぶりにカメラで撮ったのですが、やっぱりどれだけスマートフォンのカメラ機能が良くなっても、カメラには勝てないですね。
ここをずっと読んでくださっている方でも、ウラマドンナって何?と思う方もおられるかと思うのですが、ウラマドンナは、2015年ごろから制作をはじめた粘土作品です。
ヒッチコック監督の『裏窓』という映画のイメージから自分なりの解釈をし、URAMADOという名前で新たに作品を作り始めたことがキッカケで、粘土で作る胸像に名前を付けたいと思い、ウラマドンナと名付けました。
時期により全く違うテイストのものを作っていて、サーカス時代、ボタニカル時代など、遡って見ていただくのも面白いかと思います。
写真だけではわかりづらいのですが、ウラマドンナの頭には窪みがあるんです。
窪みというより、ポッカリと掘ったような穴というべきか。
それは、見る方によっては”失われている”と捉えられることが多いのだけれど、人の脳、もっと抽象的な言い方をすると、記憶という部分の深さや色のイメージを海で表し、頭の部分に海を作った、というのが一番当てはまるかな―
自分の作品をちゃんと言葉に出来ないというのはどうなんだろうかと思うけれど、何かしら提示しておきながら答えは各々でどうぞというのも、永遠にミステリーでいて、いいのかもしれないと思うのでした。
わたし自身、無類のミステリー好きなもので。